せかいには四角いものとまるいもののどちらが多いのでしょう。
私はノートの左に「まるいもの」、右に「しかくいもの」を書いていきました。
「四角いものの方が多いにきまっているよ」その人は言いました。
「いいえ、まるいものの方が多いのよ」私は返しました。
本当に・・・くだらないわ。
だって、それは私のあたまの中のせかい。
これは、まるい話 - hyakuyou's diary の続きです。
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七月に入ったある日、マダムは、しゃなりしゃなりとやってきました。
「せんせ、こちらお納めになって」
「いつもお気遣いいただき、ありがとうございます」
ヒャクヨウせんせいは頭を下げながら、心の中で小さくため息をつきました。
(はぁ、また、高級ハムか・・・)
マダムはそんなせんせいの気も知れず、浮かれてこう言いました。
「せんせも、きっと気に入られると思いますわ、これはなかなかのものですもの」
七十もとうに過ぎているというのに艶やかなマダムは、真っ赤な唇に、手入れの行き届いた爪を品よくそろえて、意味深な笑みを浮かべ帰って行きました。
マダムが帰ったあと、ヒャクヨウせんせいは大きくため息をつきました。
(はぁ、まったく、こちとら、金にこまっておるのだから、商品券とか、キャットフードとか、ビール券とかならいいのだが。一番いいのは現金なのだが・・・)
そうして、しかくいその箱の包装紙を乱暴に破って、開けました。
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むむむむ?
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ほぅ!
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これは・・・
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かなり、まるい。
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それは・・・月にも上る気持ち
ヒャクヨウせんせいは、おどりました。
そうして玉に乗りました。
せんせいは、ご満悦です。